転妻のゆううつ

妊活と株といろいろ雑記ブログ

扶養内で働くとは?税制は複雑にできている【2022年最新版】

税制は複雑にできている

日本の税制って複雑ですよね。

ドラゴン桜で龍山高校にやってきた弁護士・桜木が、初めて全校生徒の前でスピーチをするシーンでは、こんなセリフが出てきます。

一生負け続けるバカから抜け出せ。漫画『ドラゴン桜』傑作選 - まぐまぐニュース! (mag2.com)

だまされるという表現が適切かは分かりませんが、確かにわざとかと思うほどに税制は複雑にできています。

また、法律が知らないうちにシレっと変わることも多いので、常に最新の情報にアップデートしておかないといけません。

知識はいつか自分を助けてくれます。

というわけで、私自身の備忘録も兼ねて少しずつお金の知識をまとめていきたいと思います。

今回は扶養について。

 

扶養内とは?

扶養というのは、家族の誰かに養ってもらってる状態のことですね。

主に夫の収入で生活している場合は、夫が『扶養者』、妻が『被扶養者』となります。

妻が夫の扶養内で働くパターンで考えてみます。

『扶養』には税制上の扶養と、社会保険上の扶養があります

ざっくり言うとこんな感じです。

  • 税制上の扶養・・・給与年収が103万円以下であれば、所得税がゼロ。100万円以下なら住民税もゼロ。
  • 社会保険上の扶養・・・給与年収が106万円以下であれば、健康保険・年金の負担がゼロ。

ポイントは『給与年収』であることです。

どこかに雇われて、もらう給料ですね。

103万円までなら、基礎控除48万円給与所得控除55万円が所得から控除されるので、税制上は所得がゼロということになり、所得税がかからないという訳です。

株で稼いだとか、そういう場合の収入は『給与』ではないので違ってきます。

この場合は基礎控除のみの48万円が上限となります。

 

夫の税金が減るってどういうこと?

配偶者控除』と『配偶者特別控除』なるものが存在します。

呼び方が違うだけで、これらは一続きの制度です。

なぜ呼び名を分けているのか謎です。

  1. 年収が150万以下・・・夫の所得が38万円(住民税は最大33万円)控除される。配偶者控除
  2. 年収が150万~201万・・・夫の所得が段階的に控除される。配偶者特別控除

厳密に言うと、年収103万までが『配偶者控除』、103万以上が『配偶者特別控除』ということになっています。

しかし、150万までは同じく最大38万円の控除が受けられるわけですから、なぜ途中で名称が変わるのか本当に分かりません。

さて、夫の所得から38万円が控除されると一体いくら節税になるのでしょうか?

 

所得税の計算方法はこちら

tenzumanoyuutsu.hatenablog.jp

税率は人によって異なりますが、ここでは所得税10%、住民税10%として計算してみます。

所得税38万円×10%=3.8万円

住民税:33万円×10%=3.3万円

合わせて7.1万円が年末調整で帰って来るイメージです。

夫の年収が高く、たくさん所得税を払ってる!という場合はこれ以上の金額が還付されます。

 

社会保険『130万の壁』はこう変わった

長らくの間、社会保険上の扶養は130万以下でした。

しかし、労働人口が減ってますから、国は「パート主婦にも自分で社会保険料納めてもらおう!」と考えたんですね。

制度が改定され、2022年から社会保険加入の適応範囲が拡大されました。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 雇用期間が2カ月以上
  • 賃金月額が8.8万円(年収106万円)以上
  • 学生でない
  • 従業員が101人以上の企業

以上のすべてを満たす場合、社会保険に加入するようになりました。

ただし、2024年10月以降は従業員が51人以上規模の企業でも適応されます。

月額8.8万円には残業代・賞与・通勤手当などは含まれません。

これらすべてに当てはまらない場合は、130万円が壁となります。

なので、106万円か130万円、どちらが壁になるのかは勤務先と雇用形態によって変わって来るという訳です。

 

壁はたくさん存在する

103万円の壁とか150万の壁とか、『壁』と表現されるこの扶養に入るかどうかの上限ですが、実は他にも『壁』は存在します。

例えば、納税者本人(ここでは夫)の年収が1195万円を超えたら配偶者控除が受けられなくなるとか、「え?そっちも壁あるの?」って思うような壁があるのです。

よくもまあこんなに複雑に作ったものです。

いろいろある壁のなかで、もっとも意識した方が良いと言われるのは『106万(人によっては130万)の壁』です。

年収106万弱なら、所得税・住民税がかかったとしても大した金額にはなりません。

配偶者控除も最大限の控除を受けられ、社会保険料がかかりません。

もしも、うっかり106万円を超えてしまった場合、自分で社会保険料を納める必要が出てきます。

社会保険料介護保険料を含めると、年間で約15万円です。

うっかり超えてしまった場合の支払い額としては、デカいですよね・・・

なので、うっかり越えをもっとも避けるべきは、社会保険の壁である106万ということになります。

 

扶養を抜けて働くメリット

たくさん存在する壁をうまく使って賢く働く方法もありますが、扶養を抜けて働くことには多くのメリットがあります。

単純に世帯収入が増えるというだけではありません。

健康保険料を自分で支払っているので、けがや病気で働けない時期があっても傷病手当を受け取ることができます。

年金も自分で納めた方が将来受け取る年金額が多くなります。

しかも社会保険料は、会社との折半なのでお得なのです。

長い目で見れば、「扶養に入らず夫婦共働き」が理想的だと言えるでしょう。

夫婦ともにしっかり稼ぐ、いわゆるパワーカップルというやつですね。

それが理想的なのです。

しかし、現実には難しいです。

結婚・出産・子育て・介護・転勤・ケガや病気、さまざまなライフイベントのために仕事を辞めたり、セーブせざるを得ないこともあります。

『壁』を意識するなんてめんどうではありますが、うっかり壁を越えて損するのは嫌ですよね。

扶養の範囲で働くか、扶養を抜けて働くかは、家計全体で損しないか、長期的にどっちがいいのかを家族ごとに判断する必要があります。

 

・・・税金の話って頭が疲れますね。